ひとりっ子7歳児とゆっくり学習ブログ

全員オタクで自分の好きなことにしか興味のない家族ですが今のところ仲は良いと思います。のんびり教育ママやってます。

読書好きの親と小学生でも読めそうな推し本諸々③近代文学編

誰が見ても文句を言えない読書(笑)ができる近代文学編です。

語彙が豊かなものが多いので、 読みづらいものも多いですが以下のおすすめ本は私も実際に小学校 の時に読んで感銘を受けた本です。そもそも近代文学、 そもそも過激なものも多くて小学生にはおすすめできないものも多 いですよね‥。

 

中勘助 銀の匙

たしか小学校5~6年生くらいに手に取り、 平易なのに透き通った美しい文章、子供の視線、 思考の再現性がすごくて子供の目を持ったまま大人になった人がい るんだ!と感動した覚えがあります。 多分読書が好きな子だったら小学校中~高学年で読めるはず。 関西最高峰の男子校、灘中学でも中学3年間かけてこの1冊を解読 していくという授業をされてたみたいですね。 感受性が強い子供時代に読むべき1冊だと思います。文庫本だし、 挿絵もないのでとっつきづらいですが、 いったん読めば夢中になるような魅力がある一冊です。

 

夏目漱石 坊ちゃん

これも小学生高学年の時に読んだ一冊。 初めて日本文学で爆笑しました。 今でも私は坊ちゃんをギャグ小説だと思ってます。 ちなみに私が大爆笑したのは四国の学生と坊ちゃんのなにもかもが かみ合っていないやり取りの一幕だったと思います。 坊ちゃんの面白いところは本人大真面目なのに、 あまりにも一直線な性格のせいで周りとかみ合わず、 大騒動を巻き起こしていくところです。とはいえ、 曲者の赤シャツや教頭だったかと喧嘩し、 故郷に戻ってしまうところも少ししんみりしますね。。。 昔の描写なども多いので、 注訳付きの本のほうが小学生にはわかりやすいと思うし、 ストーリーの面白さを理解しやすいと思います。

 

あと夢十夜とかも小学生でも読めると思う。 全体的にホラーチックで独特の美しさのある物語ですよね。 夢十夜のすごいところは完全に頭の中で映像化できる解像度の高い 文章です。 ちょっと怖い話好きの子だったらこちらもおすすめです。

 

芥川龍之介 くもの糸・杜子春

芥川龍之介は私の中で1・2を争うほど大好きな文豪の一人です。 芥川龍之介のすごいところは深い物語が多いのに小学生でも読める くらい文章が無駄なくシンプルで精緻なところです。 学生時代に本当に頭の良い人間はこういう文章を書くんだなあと思 った記憶があります。( 多分中学に入って出てきた小林秀雄の文章と語彙ばっかり難しい論 説文が本当に嫌いで笑、 余計芥川のシンプルさが好きになったのだと思います) 私は人間の醜いところや滑稽さを客観的に描いた藪の中、地獄変羅生門、鼻あたりが好きですが、 杜子春の内容が全く思い出せない…。 皆さん芥川を語るときは杜子春マストみたいなところがあるのです が、なんでこんなに記憶にないんだろう…。 今度また読み返してみたいと思います。 トロッコとかは中学受験国語でもしょっちゅう出てきますよね。 ちなみに芥川後半はノイローゼのため暗く、 幻想じみていき難解になっていくので小学生にはあまりおススメは できないかな…。

 

中島敦 山月記

小学生ではちょっと難しい気もするのですが。 小説が好きな小学生高学年の子なら山月記くらいなら、 読めると思います。(李陵は厳しい気がする…) 中島敦のすごいところは芥川龍之介とはまた違う意味で漢文のよう にリズム感のある端正な文章です。 最小限ともいえる表現で平易に読者に内容を伝える力のある文体で す。山月記なんかはちゃんと教訓めいたものもあって、 わかりやすいし、短編なので、 これだけでも読んでみたらいいと思う。

 

宮沢賢治 銀河鉄道の夜

宮沢賢治の小説は注文の多い料理店、どんぐりと山猫、やまなし、 よたかの星、風の又三郎など低~ 中学年から読めるようなものもあるけど、 最高峰は銀河鉄道の夜なのかな。( 中学生になったら春と修羅かな…)

とにかく詩的でキラキラと美しい文章で子供でもわかりやすい教訓 もあって適度に表現がわかりにくく(笑) 教材としてはちょうどよいんでしょうね(?) 小学生の時私も読んだのですが、 銀河鉄道の夜は比喩が多く、クセがあるのでわかりにくく(私は) 字の細かい文庫だと途中挫折しました。 ちゃんと挿絵とかのある本とかで読んだほうが小学生は入ってくる と思います。幻想的でとても良い話ですよ。「ほんとうの幸い」 を常に考えていたカンパネラの行動がとても切ないです。

 

坂口安吾 森の桜の満開の下

坂口安吾無頼派と言われながらも私の中ではこの上なくロマンチックな話を書く作家で、桜の森は美しくも究極の愛、という印象のある小説です。とはいえ、とても残酷な話なので是非はあるのですが、この硬質ながらロマンチックな話がわかる小学生なら今後どんな話も読み解けるのではと思います。坂口安吾はドライでサバサバしていながらも情の深いロマンチックな話が多く、ギャップ萌えがすごい。(当社比)プリミティブで簡潔な話が多いので小学生でも理解できるとおもいます。

 

ちなみに上記の小説がそもそも理解に苦しむ、世界が遠いと思ってる人は以下の小説マンガがおすすめ。

 

森見登美彦 新釈走れメロス

なんとここでお勧めしている話の3編が入ってる上にとてもくだらなく面白いです。古典文学も楽しく入っていきたい方はとりあえずこちらから読んでみては。

 

それも無理な方はマンガから。ということで文豪ストレイドッグス

まず主人公が中島敦という渋さに震えろ。他にも海外の文豪もたくさん出てくるので、文学史を理解したい方にもおすすめ。文学版呪術廻戦という感じでしょうか。作家の固有技が代表作品に関連してる、というのが文学オタク心をくすぐりますよね。流石にここまでお膳立てして、読めなかったら諦めて中学生になってから頑張ってください。という感じですが。お役に立てると幸いです。